行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する 法律」(以下、番号利用法)等の施行に伴う「所得税法施行規則の一部を改正する省令」等

 7月9日付の官報で、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(以下、番号利用法)等の施行に伴う「所得税法施行規則の一部を改正する省令」等が公布されました。
  これにより、個人番号又は法人番号の利用開始(平成28年1月予定)後に、個人番号又は法人番号を記載すべき申告書・申請書・届出書・支払調書等が公表されました。
 
1.公布された省令
 下記の各省令が公布され、申告書・申請書・届出書・支払調書等に、提出者等の個人番号又は法人番号を記載することとされました。

 

 法令名
1 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関する省令の一部を改正する省令(総務・財務四)
2 相続税法施行規則の一部を改正する省令(財務四九)
3 資産再評価法施行規則の一部を改正する省令(同五〇)
4 租税特別措置法施行規則等の一部を改正する省令(同五一)
5 国税通則法施行規則の一部を改正する省令(同五二)
6 所得税法施行規則の一部を改正する省令(同五三)
7 法人税法施行規則等の一部を改正する省令(同五四)
8 減価償却資産の耐用年数等に関する省令の一部を改正する省令(同五五)
9 石油ガス税法施行規則の一部を改正する省令(同五六)
10 遺産、相続及び贈与に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の実施に伴う相続税法の特例等に関する法律の施行に関する省令の一部を改正する省令(同五七)
11 消費税法施行規則の一部を改正する省令(同五八)
12 地価税法施行規則の一部を改正する省令(同五九)
13 内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行規則の一部を改正する省令(同六〇)
14 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則の一部を改正する省令(同六一)
15 額面株式の株券の無効手続に伴い作成する株券に係る印紙税の非課税に関する省令の一部を改正する省令(同六二)
16 国税関係法令に係る行政手続等における情報通信の技術の利用に関する省令の一部を改正する省令(同六三)
17 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律に基づく租税条約に基づく認定に関する省令の一部を改正する省令(同六四)
18 租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律施行規則の一部を改正する省令(同六五)
19 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律施行規則の一部を改正する省令(同六六)
20 復興特別所得税に関する省令の一部を改正する省令(同六七)
21 地方法人税法施行規則の一部を改正する省令(同六八)
 
2.個人番号又は法人番号の記載が必要となる書類
(1)所得税法、法人税法、消費税法、相続税法等に規定する所得税・法人税・消費税・相続税の申告書や申請書・届出書・法定調書等に、提出者(申告者)の個人番号又は法人番号を記載することとされました。
(2)また、提出者(申告者)以外の者の番号も記載することとされている書類のうち、主なものは以下のとおりです。

 

 書類名 番号記載の対象者(誰の番号を記載するか)
1 所得税申告書

         提出者、事業専従者、配偶者、控除対象扶養親族
2 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

         提出者、控除対象配偶者(注1)、控除対象扶養親族(注1)、支払者
3 給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書

         提出者、配偶者(注2)、支払者
4 退職所得の受給に関する申告書

         提出者、支払者
5 配当、剰余金の分配及び基金利息の支払調書

         支払を受ける者、支払者、支払の取扱者
6 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書

         支払を受ける者、支払者
7 不動産の使用料等の支払調書

         支払を受ける者、支払者
8 不動産等の譲受けの対価の支払調書

         支払を受ける者、支払者
9 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

         支払を受ける者、支払者
10 給与所得の源泉徴収票

         支払を受ける者、控除対象配偶者、控除対象扶養親族、

                               支払者(注3)
11 退職所得の源泉徴収票

          支払を受ける者、支払者(注3)
(注1)控除対象配偶者、控除対象扶養親族の個人番号の記載は、番号利用法整備法で改正された後の所得税法第194条に規定されています。
(注2)配偶者の個人番号の記載は、番号利用法整備法で改正された後の所得税法第195条の2に規定されています。
(注3)支払を受ける者へ交付する場合は、支払者の番号は記載不要。
 
3.「給与所得の源泉徴収票」の改正後の様式
上記2のうち、「給与所得の源泉徴収票」は、控除対象配偶者や控除対象扶養親族の欄が追加され、用紙サイズがA5(改正前:A6)とされるなど、大幅に様式が改正されました。
        
4.申告書等への番号記載の開始時期
内閣官房HPの「社会保障・税番号制度」のFAQ等によると、各申告書等に番号を記載する時期は、次のとおりとされています。

 

1 所得税申告書     平成28年分の申告書から
2 法人税申告書     平成28年1月以後開始事業年度に係る申告書から
3 法定調書           平成28年1月以後の金銭の支払等から
4 申請書・届出書   平成28年1月以後に提出するものから